本望

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ライブ当日 「キラキラ輝け キラキラ光れ 世界を照らす みんなの輝き 今日も羽ばたけ キラキラスター!」 最後の円陣を組み終わり、全身に星がプリントされた衣装に身を包む。 きらりと彩乃の三人の影ナレーションは実は最初で最後の貴重な体験。 残り十分 影ナレーションを終えて呼吸を整える。 きらりはライブ前だっていうのに私に抱きついて思いっきり泣いてる。 きらりと同い年なのに幼く見えちゃうのはこの行動にも起因してる。 舞台袖。 観客の期待を胸に込めた声。 この幕の向こう側には五万人のファンがいる。 正真正銘これが私の最後のライブ 後は精一杯ファン スタッフ メンバーに感謝を伝える それだけ。 ブザー音と共に幕がゆっくりと開く。 キャー キャー ヒカリちゃんーーー 黄色い歓声が四方八方から響き渡り、スタンディングオベーションが巻き起こる。 一曲目はデビュー曲の キラキラ 卒業を決めた頃から一曲目と最後の曲は決めていた。 あの頃はファンも疎らであちこちと空席が目立っていた。 今ではこの曲のゆったりと可愛らしいメロディーが聞こえないくらいの叫び声が響き渡る。 いかにもアイドルらしさ満載の曲だった。 キラキラリン キラキラリンと歌いながら流れ星が流れるようなポーズを最後にする。 当時は羞恥心もなくやっていたけど、今は恥ずかしさを感じてしまうくらいの可愛いポーズ 五万人の観客がキラキラリンポーズをして温めた。 2時間のライブに卒業セレモニー 一期生 二期生 三期生期別と一緒に思い出の曲を踊ったり、ピアノ ギターセッションをしたり、擬似漫才をやったり。 「次が最後の曲になります。」 「えーーーーー」 いつもは観客の嫌がる反応を楽しみにしてたけど、今回ばかりはその声を聞きたくなかった。 本当に終わりが近づいてくる。  15枚目シングル 彼方  エースだったひなたちゃんが突然の卒業を発表して作られた曲 以降メンバーが卒業するたび、ラストに彼方がかかる。 そう 次は私の番 一人一人ギュッと抱きしめた。 それぞれ違ったぬくもりがそこにはあった。
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