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勇者誕生
その日、小さな村で一人の女の子が生まれた。
村の中では比較的裕福な夫婦の間に生まれた念願の女の子。
両親は、初めて授かった我が子の誕生に涙を流して歓喜している。
そんな幸せな家の前に1台の馬車が停まると、馬車から降りてきた男は家の扉をノックした。
「私はアリエヘン王の使いで参った賢者シャナクである。家長はおるか?」
アリエヘンの王の使いと聞いた父親は慌てて、その扉を開ける。
当然、自国の王の使いとあれば、身分の差は言うまでもないだろう。
故に、突然の来訪であっても無下にする事はできない。
「こ、これは、こんなところまでよくお越しになりました。汚いところでございますが、中にお入り下さい。ただ、先ほど娘が生まれたばかりでして、騒がしいのはご容赦いただけるとありがたく思います。」
父親の目に映るは、見るからに身分が高そうな魔術師風の男。
万が一にも失礼があれば大変だと感じ、できるだけ丁寧に応対した。
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