167人が本棚に入れています
本棚に追加
/409ページ
そう、ビビアンは一度としてサクセスをいじめているつもりはなかった。
ただビビアンは勇者であるが故に、小さき頃より力が強く、周りには無理矢理サクセスを連れまわっているように見えただけだったのである。
ビビアンの方がサクセスよりも1ヵ月遅く生まれているが、体の成長は女性の方が早く、パッと見はビビアンの方がお姉さんだ。
そして力関係も当然ビビアンの方が上。
純粋な力もそうだが、立場上の力関係もそう。
可愛い女の子に弱いサクセスは、もはやビビアンの従順なシモベに近い為、ビビアンの言う事は何でもきいてあげた。
とはいえ、当人のサクセスは、むしろそれを喜んでいたのだから問題はあるはずもなく、それ故に二人はいつも一緒だった。
しかし、そんな二人の関係にも終わりは訪れる。
それは農家の三男であるサクセスが、家から追放される日だった。
最初のコメントを投稿しよう!