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―――あれから数カ月後。
「ちょッ、先生ッ学校じゃ駄目だって前に約束して…ふ…」
教室の窓辺。
カーテンの中で達郎から与えられる激しいキスに、本気で拒否が出来無いしおんの瞳から生理的な涙が浮かぶ。
S気質のある達郎はそんなしおんの反応を明らかに楽しんでいた。
「駄目。だってお前又兼秀から迫られてたじゃん。アイツからでこチューされてたろ?」
「な…」
他の生徒の目を忍んで、兼秀から額にキス受けてしまった失態がバレていたらしい。
「なんで…」
赤い顔で見返すしおんに、達郎はしれッとした視線を返す。
「なんで知ってるかって?そりゃ、俺はお前の事ならなんでも解ってるに決まってんだろ」
達郎の情報量の多さと、甥っ子への嫉妬から校内でキスを仕掛けて来た理由を知ったしおんは赤くなったままクスリと笑った。
「先生って意外に独占力強かったんですね」
「そーよ?知らなかった?俺ァ自分のモンに手ェ出されたら我慢が出来無ェの」
自分の物。と言葉で指摘されたしおんは、顔を伏せる。
『学校では手を出さない事』という約束を破った達郎に、思い切り抗議をしてやろうと思ってた気持ちが薄まっていく。
反対に、達郎から想われてるという事を再確認出来た事に幸せな感情が押し寄せて来て―――。
「…馬鹿」
常田の胸元に熱を帯びた額を猫の様に擦付ける。
込み上げる愛しさに達郎は堪らずカーテンごとしおんを抱き締めた。
アンタの理解者。終わり。
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