因縁の相手はまだ俺よりも高い

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因縁の相手はまだ俺よりも高い

「遥!俺を呼べ!!」 あと3点で逆転勝利。制限時間はあと20秒。 俺達は今絶賛、『ウインターカップ』試合中。 『全国高等学校バスケットボール選手権大会』だ。 俺は遥と中学生から一緒にバスケ部に入っていた。 中学生のとき入っていたバスケ部は超がつくほど弱く、いわゆる弱小チームだった。でも俺達は勝ちに拘った。だから2人だけでひたすら練習を重ねてここまで上り詰めたんだ。だからここで絶対点数を落としたくない。俺と遥の為にも、チームの為にも。 「俺に!ボールを!くれぇぇえ!!!!!」 「蓮!任せた!!頼む!決めてくれ!」 「おう!」 俺の目の前にはばかる無数の敵。でも何だろう...今は、今だけは...凄く...遅い。俺は次々敵を躱し、遂にゴール前...スリーポイントを決めようとした。 でもその時...俺の目の前に高い高い壁が立ちはばかったんだ。俺よりも身長が15cm高い...三雲 零。 俺は、ゴールを目の前にして...ボールを弾き落とされた。 “ピッ‪” ゲームセットだ... 俺の後ろで相手チームが歓喜の声をあげている。 それによって俺の不快感は掻き立てられ、気持ちは押し潰されるようだった。
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