僕のミーをシロと呼ばないで

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 この空気の悪さに最初こそ随分いた野次馬も、一人減り二人減りとどんどんその数を減らし、3分の1も残っては居なかった。健全な公園にもかかわらず、こんな不健全なところを見せてはいけないと親子連れは真っ先に帰った。たまたま居合わせたような人は、用事があると殆どが居なくなった。  今残っているこの数少ない人は、大半がシロ様が気になるか、ここまできたら最後まで見届けようと心に決めた暇人か、滝本ユリエのこのヤサグレっぷりに萌えやられたかどちらかだろう。  僕は周りを見渡した。ジャングルジムの近くで、リュックを背負いバンダナでシャツをインしている男性が食い入るようにブランコの方を向いている。あの人は萌えやられた口なんだろう。鉄棒の方に視線を動かしてみる。インテリそうな男性がこの状況を分析するように見守っている。あの人はシロ様の登場が気になるんだろ。そして自分を省みては、丁度自分は中間のどっちも気になる人だなんて、どうでもいいことを考えていた。  その時だった。もういい加減くだらないと思い始めた時だった。公園に鼻の掛かった声が響き渡った。 「し~ろ~さ~ま~」
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