僕のミーをシロと呼ばないで

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 僕はいつ現れるか分からないシロ様を待つために、石段のところまで移動した。ベンチはもう埋まっているから、そこの階段で腰を落ち着かせようと思ったのだ。虚ろな僕は、ゆっくりとそこに向かった。 ん?  白い尻尾のようなものが、階段の上の方でちらりと見えた。あれは、間違いなくミーの尻尾だ!  虚ろな僕に突然、なみなみと元気が漲った。  ミーだ!!  ミーがここにいる!  全てが吹っ飛んだような気持ちになって、疲れ果てた足は軽やかに動いた。シロ様も撮影も、滝本ユリエも叶野光もあの健気な女性の声も、皆と心で繋がった瞬間も、ミーを目の前にして全部吹っ飛んだ。  ミー!!   どんなに急な階段でもへっちゃらだ。僕はトントントンと一つ飛ばしで石段を飛び越えて上る。  最後の石段に足を踏み込み、身体をぐいっと持ち上げた。 「ミーー!!」
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