僕のミーをシロと呼ばないで

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 元からそんなにテレビは見ないし、その世界の興味もさほど無い。それゆえそんなに詳しくはないのだが、長者番付されるほど稼いでいる大物を知らないなんて自分の世間知らなさすぎにショックを受けた。 「でも、アレなんだろ?」 「そう、アレなんだよ。結果的にボランティアなんだよ。だからあんなに気ままで皆を振り回してるにも関わらず、誰も文句は言えないのさ」  僕は益々シロ様が分からなくなった。  最初の話だけを聞けば相当のわがままな芸能人なことに変わりないのに、ボランティアだという。最初に抱いたイメージとかけ離れる。  急に、シロ様が魅力的に思えてきた。  わがままな無報酬芸能人。  自分の中のマニアックな部分に否応なしにリンクして、ワクワクさせる。一度リンクした思いは高みに向かい、シロ様を一度拝まなければおさまりが付かないような気持ちになっていった。どんどん、どんどん。  
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