猫の島

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 自分はやっぱり、まだこの世で生きていたいのだろうか。  あのまま殺されてしまえばよかったのに、死への恐怖に打ち勝つことができずに走った。  ねぇ、ニヤケ。  あなたも前世で罪を犯したの?  ここは外道の島なんかじゃないよね?  ニヤケはいつのまにか友梨亜の横をいっしょに走っていた。  友梨亜はがむしゃらに走った。  どこをどう走ったのかもわからない。  すると、前方にガーデニング用のブーツを履いたままの母を見つけた。 「お母さん!」  友梨亜は母にかけよると、もう二度と離さないとばかりにしがみついた。 「どこへ行ってたの。ひとりで出て行ったらだめでしょう」 「ごめんなさい」  ちらりと振り返ったら、青年が追ってきている様子はなかった。
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