1人が本棚に入れています
本棚に追加
自分はやっぱり、まだこの世で生きていたいのだろうか。
あのまま殺されてしまえばよかったのに、死への恐怖に打ち勝つことができずに走った。
ねぇ、ニヤケ。
あなたも前世で罪を犯したの?
ここは外道の島なんかじゃないよね?
ニヤケはいつのまにか友梨亜の横をいっしょに走っていた。
友梨亜はがむしゃらに走った。
どこをどう走ったのかもわからない。
すると、前方にガーデニング用のブーツを履いたままの母を見つけた。
「お母さん!」
友梨亜は母にかけよると、もう二度と離さないとばかりにしがみついた。
「どこへ行ってたの。ひとりで出て行ったらだめでしょう」
「ごめんなさい」
ちらりと振り返ったら、青年が追ってきている様子はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!