のら猫とペットボトルの君

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「マーロウ!」 「ふふふ、どうしてもあのラグドールに会いたいのだね? 私がなんとかしてあげてもいいにゃふんよ」 「でも以前にトラネコ怪盗のランポがあの敷地に忍び込んだとき、散々な目に会ったらしいみゃーよ」クロは尻尾を振りながら問いかけた。 「ちっちっ、あんな泥棒ネコと一緒にしてもらっては困る。私にはここ数日間で調べ上げたデータがあるにゃふん」 「なんでそこまでして……調べていたゴロ?」 「それは……」三匹はゴクリと固唾(かたず)を呑んだ。 「家ネコは暇だからね。にゃんか面白いこと探さないとつまんないにゃふん」  マーロウがニャハハと耳を撫でると、三匹は前足をずるっとこけさせた。 「パパさんが趣味のドローンで屋敷の様子を撮影していたにゃふん。まずはそれを分析しよう。みんなうちに来るにゃふん」  三匹はマーロウについて、家に向かった。 「あの……僕たち家に入れるかみゃ?」 「心配ご無用、私についてきにゃさい」  家にたどり着くと、マーロウは玄関マットに設置されたボタンを踏んだ。するとドアの下部についた小さなシャッターがウィーンと横にスライドした。 「にゃ、にゃんだ!」驚いたチビタは毛を逆立てた。 「今はハイテクの時代だからにゃ。私の家にはネコ専用の自動ドアがついているにゃふん。しかも肉球認証だから、よそのネコは入れにゃふん」  マーロウがシャッターを通り過ぎると、三匹も後に続いた。 「お邪魔しにゃーす」  全員で身を屈めながら、そろりそろりとパパさんの書斎へと足を進めた。
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