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綿密な計画が練られ、作戦決行の日が訪れた。作戦名は『チビタとジュリエット』。
クロの主人は植木屋さん。月に一度、屋敷敷地内の森の剪定のためにネコ撃退装置が撤去される。次の剪定がいつかをクロが探り、その日に敷地内に侵入することが決定された。
しかしクロは浮かない表情で尻尾を揺らしていた。
「クロ、あまりいい気分ではないにゃふん?」マーロウがクロにすり寄ってきた。
「そうだみゃあ、ご主人様の仕事を利用して忍び込むのは少し気が引けるみゃあね」
「それだけかい? 他にも何かあるようだけどにゃふん?」
マーロウは探偵らしくクロの表情を横からじっと観察した。
「チビタは僕が小さいときから遊んでくれた大切な友達。彼の恋を応援するためには、僕も頑張らみゃあと」
クロはエジプト座りで胸を張ると、少し寂しそうな笑顔を作った。
チビタが尻尾を空にピンと立てて、二匹の元に歩み寄ってきた。その後ろをチョロが小走りで追いついてきた。
「みんな協力ありがとにゃ、この作戦を成功させてペットボトルの君に愛の言葉を告げてみせるにゃ!」
「それではこれから作戦を実行するにゃふん。チョロ……準備はいいにゃ?」
「まかせるゴロ。おいらが囮ににゃって、家主をおびき寄せるゴロ」
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