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「あと少し、あと少ししかないんだ。誰かボクを救ってよ…」
哀しみに明け暮れた少年はそう呟いた。
少年は"あの家"に双子の弟として生まれてしまったが故に死ななければならない。
せめてもの温情として高校卒業までは生きていてもいいこととなった。
少年の兄はそれを知らず、家の名を背負い平和に暮らしている。
少年への温情の期間はあと2年
本来であればもう殺され消えていたこの命。
延びただけでも幸せなのだが、周りの人達が仲良く日々暮らしているのを、一緒にみんなと楽しんで学校生活を暮らしているから、
「死にたくない」
「もっと生きていたい」
と望んでしまうのはしょうがないだろう。情けが気まぐれか、それでも寿命が延びた。その事実は変わらないわけで、また気まぐれが起きないものか、家から解放されないかと思ってしまう。そんなことは起きないけど、それでも双子の弟だからと殺されるのは嫌だった。
もう諦めていた、心の底から諦めた
そう、思っていたのに…
少年は今日もまた泣く。
まだ見ぬ誰かを思い浮かべながら、物語で言う〈白馬の王子〉のような人物が自分を救ってくれるようにと天に願いながら…
少年は今日も泣く。
終わりが見える人生に、先が訪れるようにと
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