第7章:アンドロイドが生き続けるには

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「和時……ボクは、ボクは…」 「空、つらいのはわかるよ。俺だって見ていられない。でもね、翼くんは今までも、君のために何かをすることだけが生きがいだったんじゃないかな」 「え」 「君のお世話をずっとしてくれたんだろう?」  翼はにこやかに微笑んでいる。 「彼の生きる道は、空の体の中しかないんだ」 「和時……」  ぼろぼろに泣き崩れた自分と同じくらい、和時も泣いている。 「受け入れてあげなさい。君にしかできないことなんだろう?」 「和時、本気……なの?」 「シエルさん、俺からもお願いします」  頭を深々と下げる、翼と周囲の大人。もうこれは決定事項なのだ。 「許さない……」 「シエルさん」 「ボクは君のこと許さないから! 一生忘れてやるもんか」 「……ボクはシエルさんに会えてよかったです」 「直人、休止モードに移行」 「了解」 「待って……本当に、翼……」 「シエルさん、いいえ、空さん。大好きでした。貴方は幸せになってください」  翼の声を薄れゆく意識の中で聞いた。  どこかで生きててくれたらいいなと思っていた。でもこれは、自分のことに夢中で翼のことをおろそかにした罰なんだ。翼と引き換えに生き延びた身体なんて、一体どうすればいい? ――和時さんがシエルさんに出会ってくれてよかった。俺は安心しました。  バカ。おまえの保護者はボクなのに。 ――これからはずっと一緒ですよ。シエルさん。俺はずっとあなたの中にいるんで。  そうだよ、ボクが止まるその日まで一緒にいてくれよ。 ――はい、シエルさん。  翼が自分の身体に溶け込んでいくような感覚があり、部品交換は短期間で完了した。ステータスランプはオールグリーンになり、空の身体は正常稼働品として、トニーエリクトン社の管轄アンドロイドになった。
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