赤い糸なんて

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僕の小指に 最近赤い糸が見える か細くて 時には見えなくなったり また現れたり 辿ってみても それは西の空を 突き抜けているだけ もしかしたら あの子と そんなはずはない 声も知らない 表情も知らない 静止された顔だけで お互いが繋がってる 薄っぺらい関係 限られた文字数と 賑やかな絵文字の裏で 僕は気付かれぬように 君を試している 君も僕に 挑戦的な問いかけをする 僕は君に わざと短絡的な返答をする そんなやりとりに 君は笑う 僕も笑う 酔っ払いの戯言に 僕も付き合う 君の真実は いつ明かされるのだろう 僕は最初から 直感している いくら耳障りいい言葉を 君も僕も並べても 虚構と現実が 見境なく 繰り返されるだけの 空間で出会った君と 赤い糸なんて 結ばれるわけない 結んではいけない
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