最後の授業

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「ではよろしくお願いします」 母はそう言うと階段を下りて行った。 先生はドアを閉めて、先生のために用意した椅子に鞄を置いて、コートを脱いだ。 「今日は晴れたね…」 先生は私に言う。 「先生は雨男だと思ってたのに」 私はクスクスと笑う。 「なんでだろうね。此処に来る日は雨が多かったね…」 先生はコートを壁に掛けると、椅子に座った。 「大学、決めたんだってね」 私はコクリと頷いた。 先生は嫌な顔一つせずに力強く頷いた。
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