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事情を聞くため別室に移動しようと廊下に出ると
「ナヴァール兄様!」銀の髪に青紫の瞳の少年が此方に向かってかけて来る
勢い余ってナヴァールの腰にしがみつ着くように止まると
「ナヴァール兄様、襲われたと聞いたのですが大丈夫ですか?」としがみついたまま心配そうな顔で見上げてくる
「大丈夫だレオン、視察から帰ったばかりだろうが
疲れて居るだろにそんなに走って大丈夫なのか?無理をすればまた倒れるぞ…」
「ごめんなさい…ナヴァール兄様が心配でつい…」とうつむいてしまう
「お前が襲われたと聞いて慌てて飛びだしたんだ…そう言ってやるな…」と後から追いついたナヴァールによく似た一見穏やかそうな金髪の青年が声をかけて来る
「兄様、貴方も視察から戻られたばかりでしょう、休んでいてくだされば報告を上げに勝手にコイツが行ったのに」とニィの首元の服を掴みもちあげる
「兄ちゃん、オイラの扱い酷く無い?」
「どうせ頼まれもしないのに行くだろうがお前は…」
「モチのロン!報告無くても行くし」
等と軽口を叩きあっていると
「アルマ…白頭の兄ちゃんに似てるけどすげえ美人だな…」
「お兄ちゃん、その人がネヴァルさんよ」
「え?あれがお嬢の兄貴?男なの?」
二人の会話に「彼等は?」
「兄ちゃん、この人達が襲撃犯だよ」
「ナヴァールを襲ったと言うのは貴方達なのですか?」と背筋が氷つくような冷たい視線て微笑みながら問いかける
「アルマ~怖いよ~、この人」
「お兄ちゃんが、ネヴァさんを女と間違えるからでしょう!」
「それ絶対違うと思うけど~!」
「ほら、ちゃんと謝ってよお兄ちゃん」
「お兄ちゃん?…その青年はアルマの兄なのですか?」
「残念ながら家出した馬鹿兄はこの人です」
「アルマ、お前暫く合わない内にえらく冷たくなってないか?
昔はお兄ちゃん、お兄ちゃんって…」
「そうね…その私を置いて家出したのは何処のどいつですかねぇ~」
「ネヴァル兄様、ナヴァール兄様を襲ったのはアルマ様のお兄様なのですか?」とレオンが不思議そうな顔で訪ねている
「なぁ、あのちっこいのお嬢の兄貴をお兄様って呼んでるけど…お嬢に弟なんていたのか?」
「レオン君はネヴァさん達の弟だけどキャロルちゃんとは関係無いわよ」
「なんかさっぱり意味が分からないんだが、キャロルお嬢の兄貴ってこの人で間違い無いんだよな?」
「そうだけどレオン君のお兄ちゃんでも有るのよね~」
「何がなんだかさっぱり分からない…」
「キャロルお嬢?どういうことですか?」と困惑しているネヴァルにゲルバルトが先ほどの手紙を
手紙を見たネヴァルは大きな溜め息をつき…
「まさか襲撃犯と言うのはキャロのことだったのですか?」
「止められなくて…申し訳ありません」とラドウィッチが
「今キャロは?」
「これ以上騒がれるのは困るので申し訳ないのですが眠っていただいています、彼等からなんの目的でキャロル様が此方に来たのか聞き出す所でした…」
「そうだったのですか…私も共に話を聞いても良いだろか?」
「話って言ってもなぁ~お嬢がいきなりお兄様は私が更生させなければ~とか言って飛び足しただけだし~」
「お兄ちゃん何にも知らずにナヴァのケンカ売ったの?!」
「え?だってお嬢が悪者だ~って言ってたから」何が悪いの?という顔をして首を傾げる
「お前はどうなんだよ…」とラドウィッチに
「どうせ止めても聞きませんし…思い切り暴れさせた方が疲れて大人しくなるかと…」
「主人の扱いそれで良いのか?
そもそも何で、彼女は兄様が呪われてるなんて言い出したんだ?」
「男爵家に帰られて直ぐ、帝国に戻るのは久しぶりだからと言って新聞を読まれたらいきなり…」
「新聞?」
「はい、月刊金の日という娯楽ゴシップ新聞ですが…」
「金の日?…金曜…作者の…ネーミングセンスが壊滅的だ…」
「雑誌じゃ無くても新聞なの?」
「製本技術は庶民にまで進展してないのですが、活版印刷はある程度普及してますから
主に庶民の読み物と言えば新聞なのですよ
本となると高級品ですから雑誌の様な物はまだ出てませんね、魔導機文明時代ならあったかもしれませんが」
「へぇ~」
「それでその新聞に何が書いてあったの?」
「俺、新聞なんか読まないし」とルイス
「出掛けにお嬢様が夫人に押しつけて来ているので私も読んではいないのです…」とラドウィッチ
「役に立たねぇ~」
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