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暫く思案して
「帝都の新聞ならばクラウスに言えばあるかもしれませんが…」
「何で?」
「資料として、月に二度程、帝都の新聞をまとめて取り寄せているのですよ
ここは辺境ですからね…
情報を手にするためには帝都の新聞は丁度良いのですよ」
執務室では全員入れないので、応接室に新聞
を届ける様にゲルバルトに伝えて貰い、残りは応接室に
応接室に新聞の束を持って来たクラウスだが…新聞名を聞いた途端渋い顔をし…渡すのを躊躇している様だ
「鳥の兄ちゃん、それ何が書いてあるの?」
「クラウス」
渋々と新聞の束からそれを取り出しネヴァルへと
見出しには幼い公爵を誑かし私腹を肥やす宰相の実態と書かれている
内容は、前公爵と前々公爵の謀殺説
前々公爵であるナイトハルトが戦死した為に公爵を若くして継いだ前公爵イオンはネヴァル達の謀略により戦死したと見せかけられ殺害し、その後まだ幼い公爵を操り私腹を肥やしているという物
それにナイトハルトも公爵位をイオンに譲った事に怒りを覚えたネヴァルが戦死と見せかけられたのではないかともの記事では語っている
「これ…微妙に的を射てるよね…」
「まあ…死んだ事にしてくれって本人が望んだ事なんだけど…」
「ナイトハルトぶっ殺したのオイラ達だしなぁ…これ、簒奪になるの?」
「イオンが16を迎えた時点で公爵位はイオンに移行してるので簒奪ではありませんよ」
続けて記事を読み進めると
先の公爵領における不死者の異常発生の時に前公爵イオンと共に戦い活躍し、現在再び不死者が復活しないように死者の魂を慰める為の神殿を建て貢献している若く美しい司祭を無理矢理婚約者とし彼女をその毒牙にかけようとしているという記事
「若く美しき司祭様?」とアルマを見て「寧ろ毒牙にかかったの兄ちゃん方だよね」とナヴァールを見る
「ニィくんそれ…どういう意味かなぁ~」
「お前の所の司祭様ってこの美人の兄ちゃんの婚約者なの?」とルイスが楽しそに聞いてくる
「違う、違う、司祭様(とアルマを指差す)とこっちが婚約者(とナヴァールを指差す)」
「ん?え?」二人の間を視線とキョロキョロとさせながら
「え?アルマが司祭?しかも婚約?え?何?どういう事?」
「お兄ちゃんがちゃんと帰って来たら紹介するつもりだったの!!
それに婚約者って…言っても…ろくに手も繋いでくれないし…」しどろもどろ真っ赤になりながら指遊びをしながら説明する
ナヴァールは真っ赤になり顔を背けて…
「婚約者と言っても公爵家と神殿の関係強化のためだが…、いや…別に婚約か嫌な訳ではないが…今は…
すまない後で説明する…いやきちんと説明させてくれ…」と
続けて記事に、まだ年端のいかぬ少年少女を屋敷に通わせ夜ごと侍らして居る性的倒錯者と書かれていて
冒険者の少年や神殿の若い神官見習などが屋敷に呼ばれて居るのを目撃したという証言が書かれて居る
「冒険者の少年…それもしかしてオイラの事?」
「ならこの神官見習って?」
「アルマの事じゃないの?神殿抜け出して時々遊びに来てるでしょう
オイラ達見た目だけは年端のいかぬ少年少女だもんね、実際はオイラ達成人してるんだけど…」
「そうよね…確かに私も、たまに見習の子達に同僚と思われるもの」
「なんだろこの記事書いたライターさんを微妙な線攻めてきてるなぁ~ある種の天才」
最後に美しい成人女性とそれに寄り添う醜悪な顔をした優男が描かれ悲劇の美人司祭と悪しき宰相と説明されて居る
「誰これ(笑)」
「私はこんな顔をしていたのですか?」とまじまじと新聞を眺めるネヴァルに
「いや全然似てないから…」
「全く似てません、挿絵の司祭様より寧ろ美人ですよ」とラドウィッチが慌てて否定する
「美人と言われても困るのですが…似ていると言われるよりマシですかね…」と苦笑い
「で、結局この記事真に受けてここまで来たわけ?」
「多分…」
「でナヴァ兄ちゃん見て兄ちゃんが呪われてそんな悪事を働いたと思って元に戻す為に攻撃したって事かな?」
「そうだと思われます…」
「キャロはいい子なのですが…時々思い込みで暴走するところ有りますしね…」
「キャロルちゃんと仲良かったの?」
「母が本宅の人間とは合わせてくれなかったのですが、別邸に居る頃や寄宿学校が休みで戻って居るときにキャロだけは、監視の目を盗んで生け垣に穴を開けたり、塀をよじ登ったりして時々会いに来てくれたんですよ、まぁ私に会いにというより目当てはニーナの用意する手作りお菓子だったのですがね」と楽しそうに話す
「生け垣に穴…塀をよじ登っる…ずいぶんパワフルな…」
「ならば誤解を解かねばなりませんね…それにきちんとナヴァールの事も紹介したいですし」と立ち上がるネヴァルに
「僕も一緒に良いですか?」とレオンハルトが
「お兄様の義妹様なら僕も仲良くなりたいです」
「あの子はナイトメアだからと嫌悪するような子では無いですし、レオンと一つしか違わないので友達になれるかもしれませんね」
「ありがとうございます、お兄様」
とキャロルの眠って居る部屋へ
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