8人が本棚に入れています
本棚に追加
夏になり、友人達と共に市民プールに行ったのだが、着替えの際のロッカールームでやはり白ブリーフを嘲笑われた。母は「お友達と一緒にプールに行くなら学校の水着はカッコ悪いでしょ?」と、極彩色のバミューダパンツを買ってくれている。白ブリーフに比べたらダサいボックス水着の方がまだマシだ。何故にこの優しさを白ブリーフの時に見せてくれないんだマイ・マザー?
友人は服を脱ぐぼくに尋ねてきた。ぼくは丁度その時上半身裸でズボンを脱いでおり白ブリーフ一枚で、ロッカーから先述の水着を取り出そうとしていた。
「なあ、ブリーフに拘りあるの?」
「ないよ、親が他にパンツ買ってくれないんだよ」
「俺含めて皆から馬鹿にされてるのにブリーフから替えないからさ、よっぽど凄い拘りがあると思ってたんだけど、そんなことか下らねぇ」
こう思うなら馬鹿にするなよ…… ぼくは友人を軽く睨みつけた。
「お前、最低だな」
「まぁ、人の好みだしな。馬鹿にした俺も悪かった。けど、ホントダサいな、ブリーフ」
友人の目線はぼくの白ブリーフの膨らみに向いていた。クラスの女子の胸と一緒で視線誘導させる何かがあるのだろうか。いずれにせよ、恥ずかしい。
「いちいち見んなよ。変態かお前」
ぼくは機嫌を損ねながら白ブリーフを脱ぎ、水着に着替えた。そして、白ブリーフをロッカーの中に憎いものを扱うように叩き投げつけた。
最初のコメントを投稿しよう!