吾輩は『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』である。

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なぜ『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』と名乗っているかと言えば、生後間もなく吾輩を引き取った家族のおばあちゃんがそう名付けたからである。 『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』は、遠い異国の地の、幸せを運ぶ神様の名前だという。なんと迷惑千万な名前の神だろうか。 『タマ』だの『ミケ』だので言い争っていた子供たちも、おばあちゃんからその由来を聞いた途端に、「ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン!」と呼び始めた。なぜ一瞬で覚えたんだ。ふざけないでいただきたい。 こうして『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』としての人生ならぬ猫生が始まった。 だが吾輩も『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』などという名前を付けられて怒らないわけがない。 しばらくは『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』と呼ばれても振り向かないことにした。そのうち、呼ぶのが面倒になって飽きるに違いないと思っていた。 ところがこの家族はどこかぶっ飛んでいた。おばあちゃんも子供たちも、そしておじいちゃんもお父さんもお母さんも、みんなして『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』と呼び始めたのである。狂ってやがる。 こうなれば吾輩も、『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』として生きるしかない。困ったものだ。 吾輩の体が大きくなると、子供たちが外に連れ出すようになった。 当然、友達から名前を聞かれれば、『ドンバリ・ガゼボブンベベボブン・ルンバリアンエレガンス・ミボボボブボバボンボリアン・ピンピャラピャンピャラピャッピャ・ヅォヅォミャエ・ドドリアン』と答える。 やめろ。友達ドン引きしてるぞ。「ほら、呼んでみて」じゃないんだよ。呼べるのはお前らだけなんだよ。 それでも友達は「ど、ドンバリ‥‥」と健気に無謀な挑戦を始めた。吾輩も可哀想になってしまった。「ミャァオ」と鳴いて、友達の指を舐めてサービスしてその場を収めた。
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