FIRST EPISO-DO《opening》【第一部 会場編】

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足を夢中に動かし、疲れることを忘れるくらい無我夢中状態の僕はついに、何時間歩いただろうか?気がつけば、それは大きく見ているだけでも圧倒される偉大な博物館。僕は気がつけばその扉を軽く開けてしまっていた。普通なら博物館のドアは結構大きく大人でも少しの力をいれないと開けられないドアだが、まだ13歳の僕はすんなりとその扉を開けて、中を見た瞬間に興奮が収まらなかった。中に広がっていたのは色々な見たことのない化石たち、立派な恐竜の歯、貝の化石や、他にも色々。もちろんこの火星では恐竜はおろか貝すらいないが····そう、これは全部偽物。人間たちが作ったものだ。でも僕はそれだけでも楽しかった!大昔に住んでいた星にこんなすごい生き物たちがいたなんて!火星で育った僕にとってはこんな生き物がいるなんて、到底考えられない。火星ではなぜなら人間しかいないからだ。人間一種の生き物しかいないから他の生き物を見たのは初めてで、僕は本当に無我夢中で博物館を見学した。僕、佐川羽夜火(さがわはやか)は火星育ちの13歳。僕の人生は生まれた時から退屈だった。初めて見たのは白い壁と、羽夜火という名前だけだった。「佐川」の名前は先生から貰った。母親と父親はどうやら僕のことを捨てたらしい····実際その頃は食料が破産していたらしく····生きていくことだけに精一杯だったらしい。今は普通に暮らせてるけど、僕は別に寂しくはなかった。養護施設で普通に暮らせて、ご飯も食べれて、思いっきり遊べて、普通の毎日が、僕にとってはすごく退屈だったんだ。だから僕は何もかもがもう、どうでもよかった。そんな時、博物館の設計が発表されて何故かすごく興味が上がった···僕はすぐに僕とは違う他の生き物について調べた。初めて自分から興味を持つ物を見つけた、それからすごく楽しい毎日だったよ。まだか、まだか、と待った博物館がようやく出来たのだから····だけどこの博物館の見学が終わり、また退屈な日常が続くのなら僕は、 僕は·····················きっと············· 『死ぬだろう·····』 そう心の中で思い、一回見学をやめて外に出た。僕は自分の手のひらを見て、空の夕日が沈むのを見ながら言った。 「こんな世界消えたらいいのにな」 そう言って僕は目を一回閉じて、もう一回開けた その瞬間。僕の体が光に包まれていくのが見えた。 「え?」 そして次々に光は僕の体を覆っていく、僕は何が起こっているんだ?と思った······僕は思った。 「助けを呼ばないと消える!?」 すぐに周りに誰かいないかを確かめてようとするも、もう光は僕の全身を覆っていた。目の前がいきなり暗くなり、僕は驚愕すると、頭にノイズのようなものが走った。 「なんだよ?これ·····?」 そして・・・僕はそこで何かにつまずき落転した。 「うわあああああああああ!!」 ブチッ! という音が僕の頭に響いた。 「はっ!ここ······は?」 僕はどうなったのか?さっきまで博物館の外にいたら急に体が光に包まれて・・・僕はそれからの記憶がなかった。とりあえず周りを見渡すと····僕は驚愕しながら声を出す。 「 は····? どうゆうことだ?これ····」 僕の目には何もない白い空間だけが、ただ無限に続いていた・・・。 【別の空間では】 「クッソ!!死んで·····たまるかよ!!」 そう叫んでいる男の前にいる、黒い仮面と体はフードで覆われている謎の人物。二人は白い空間で殺し合っていた。 謎の人物は声を上げる。 「さあ!!はじめようじゃないか····ゲーム[殺し合い]を!!」 そういうと、謎の人物は男に飛びかかった。 「クソが!お前は絶対俺が殺してやる!!!」 男はそれだけを言い残し、自ら手に持っているナイフで突然自分の首を刺して生き絶えてしまった。謎の人物は男の首に刺さっているナイフを戸惑うことなく抜いた。生き絶えた男の首からは血が溢れ出す。謎の人物はその取ったナイフを投げ捨てて、もう生き絶えた男の顔を見ながら口を開けて声を上げた。 「やってみろよ·····!役立たずがっ!」 男の死体の腹を足で践みねじりながら言うと、続けて何かに気づくように笑みを浮かべる。 「ハハッ!ザマねぇな! ん?あ!もう死んでたか!ハハハハハハ!!」 男の笑い声は白い空間全体に響き渡った。 ······················································································· 僕は一体どうしたんだろう?これは幻覚?僕はそう理解が追いついていなく、一人考え込んでいると、 〈ピンポンパンポーン〉 という音がいきなり流れる。その音は空間全体に響く。僕は咄嗟に反応して周りを確認した。どうやら誰もいない。一体今のはなんだ?と思ったらまた放送のようなものは流れる。 『皆さん!こんにちは!突然ですが 、あなたたちはすでに死んでいます!』 その言葉が流れた瞬間。僕は意味が分からなかった。 「なん·····だって?」
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