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「はぁ……なんかすごく疲れた」
「なにはともあれ、スマホデビューおめでとう!」
「勢いで買っちゃったけど、僕がこれを手にしたところで、何に使うの?」
「ほんとに興味ないの? 最新機種だからカメラもすごく高性能だし、音楽だって聴けるし、アプリをインストールすればどんどん便利になるよ」
「うーん……。とりあえずいろいろいじくってみるしかないね」
新しいスマホを手にしても全然テンションが上がらない航。
でも、使い始めたら案外気に入って、あっという間に使いこなすようになるんじゃないかと、瑞貴は心の中で思った。
「とりあえず入れてほしいアプリがあるの。それを入れてくれれば、いつでも無料で連絡できるようになるから」
「え、そんなことできるの? 無料って、それでどうやって携帯会社は採算取るの?」
「そんなの知らないよ。っていうか、いまどきみんな使ってるし」
宝の持ち腐れになったとしても、それは別にかまわない。
恋人と連絡するためだけのツールになったとしたら、それはとても名誉なことだ。
「ほら、行くよ。ご飯食べながら、いろいろ使い方教えてあげるから」
「待って待って。なんか変なところ触っちゃったかも」
「とりあえず本体横のボタン押して。画面が消えれば大丈夫だから」
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