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プロローグ
心に出る言葉には全部「だって」「でも」が付いていたと思う。
だって、私の人生で私に選べることなんてこれっぽっちもなかったんだから。朝ご飯をご飯にするのか、トーストにするのか、毎日の生活はここから家族の顔色を伺いつつ手間の掛からない方を答えるのだ。
「おめでとう、ウズハさん。あなたの”人”生は終わりました」
でも、それも今日でおしまい。14歳の私は死んだ。そして、私は今天国の窓口で翼の生えた担当者に説明を受けている。でも、なんでかちんぷんかんぷんだ。
だって、この担当者は今死んだばかりの私にもう一度生きろと言っているのだから。
「卒業試験はこれから始まります。おや、他のお方ならとても喜ぶのに」
“仮免許を与えます”と担当者が私に一振りのステッキを渡すと、私の背中からぼぼぼんとふわふわの羽が生えてきた。純白の白いドレスには名札のように縫い付けられた「仮」の文字。びゅんとした風に飛ばされて身体は勝手に浮いてしまう。
「続きの生にもおめでとう。いってらっしゃい。合格できると良いねーー天使見習いさん」
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