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マックの二階席は、学生や子連れで休憩しにきている母親たちのグループでまぁまぁ混んでいた。
できれば人の出入りが少ないフロアの奥の席に座りたかったけど、残念ながら、階段をあがってきてすぐの狭い二人席しか空いていない。
とりあえず、その二人席を確保すると、おれはテーブルを挟んで向かい側の椅子に榊のカバンを置いた。
階段をちらちらと気にしながらスマホを触って待っていると、ポテトとドリンクを載せたトレーを持った榊がやってきた。
振り向いてくれさえすれば目が合うくらいの距離に座っているのに、榊はおれに気付かず、フロアの奥のほうの席ばかりを探してきょろきょろとしている。
「榊」
呼びかけてみたけど、周囲の客たちの話し声に紛れて聞こえないのか、それとも鈍いのか。榊はひとつひとつのテーブルを確認するように見ながら、フロアの奥へと足を進めようとしていた。
「なあ、どこ行ってんの?」
榊の背中を早足で追いかけると、横からトレーをつかむ。
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