おい

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気のせいだと思って、俺はそのまま山を降りた。 山に行った翌日、もう寝ようと思っていた時、また声がした。 「おい、ひさし」 昨日山で聞いた声だった。 ――ひえっ! すぐ近くで声がしたが、俺の住んでいるワンルームのマンションには、今は俺しかいない。 外から聞こえたようにも思えず、姿は見えないが、どう考えても声の主はこの部屋にいるのだ。 ちなみに俺の名前はひさしではない。 こいつ、山から俺についてきたのか。 そう思った。
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