第2章 旅とハーレム?の始まり

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「オーガロード?!」 「あぁ。あ奴の表皮は、特殊じゃ魔術が効かん。その上堅い。 再生持ちで、魔術無効っておかしいじゃろ」  セリスが、苦笑交じりに話してくる 「ビーム、効かなかったんだ」 「あぁ。あれには、礫程度じゃった。弾いて一瞬で、治った」 「そっかぁ。あ、でも結界は有効なんだよな」 「ん?それはそうじゃが…お主、物理戦闘するのか?」 「ノートさん!アレは、膂力も化け物ですよ!ミスリル級が、 何人も同時攻撃しないとまずいのに、単独なんて!」 「コレ、試したかったんだ」  そう言って、右手を翳す。無骨なガントレットの右腕。 「…幾らそれがすごくても…」 「大丈夫、結界張って行くから。行ってきます」 ”ドン”一足飛びで、相手の側面に回り込む。開いた脇腹めがけて、一撃。 ”ゴカァァァアン“まるで、金属を叩いたような音が響く 「堅ったぁぁあ!何じゃこれぇ!?」  しかし、衝撃までは受け止められなかったのか、巨体が、横に吹き飛ぶ。 ”ゴガァァァアア?!”周りの木をなぎ倒し、何とか、止まったソイツは、 喚き声をあげて、こちらに、飛び掛かってくる。  真っ向から向かってくる相手にどうするか? 即座に、顔面目掛けて、前蹴りを選択し、相手の膂力を利用して、ブーツを蹴り込む ”バギャァァア!” ”グキャ”  あり得ないような向きに、ひん曲がった首を、だらんと垂らして、頽れる。 「あれ?こいつ、自滅したんじゃね?」 「「普通はそんな事できないです!出来んわ!」」  怒られた…解せぬ… 「…マジか」  隊長が呆然と呟く。もう、周りにモンスターは居ない。 他の地域の、スタンピードも、冒険者たちが善戦しているらしい。 後は、トロルを残すのみ。 「じゃあ、隊長、コイツの処理はお願いします。俺達は、渓谷に向かいます」 「…え?あ、あぁ、分かった。頼む」  キャロルとセリスが、馬に乗る。俺は相変わらず並走。 「…なぁお主、身体強化って、知ってるか?」 「え?勿論知ってるよ。今は使ってないけど」 「…儂ら、馬に乗ってるんだが?」 「分かってるよ?何言ってんの?」 「見て!?お馬さん!顔、やばくない?!全速力!お前何、平然としてんだ!」 「…理不尽な怒り方…」 「ノートさん、ペースを落としてくださいって事ですよ」 …キャロ、それは分かるって…ぐすん  そんなアホなやり取りの中、ミニマップの反応に気づく。 「そろそろ着くんだけどさ、渓谷の底にいるみたいだ。」 「なに?!下にいるのか?」 「えぇ!あそこ深いですよ、どうします?」  渓谷の手前で、馬を止め、皆で話し始める。 「と、いうわけで、これを、ご用意しました」 「ん?なんじゃ、魔銃か。やけにでかいが、 それはキャロが持ってるではないか」 「ぬふふ。それは、中距離用でしょ。これは長距離タイプです」 「ふ~ん。で?500か?600行くのか?」 「フハハハハ!標準射程は、2000!最長射程は、5000ですよ!」  異界庫から取り出したそれは、俗称”アンチマテリアルライフル” もう、ある意味、趣味全開でやったった。 もちろん、魔銃なので、無反動無火薬。 発射できるものは、礫、塊、火系統、水系統、 光系統の、魔術、物理兼用タイプ 特筆は、スコープ!物理エンジン組み込みタイプの、ズーム機能搭載。 FPS好きには垂涎のモノである。電脳化されたサイトーはスゲェって事だね。 「な、な、なんじゃそりゃぁぁぁあ!」 叫ぶセリスに、茫然自失のキャロルちゃん。 「くれ!儂に撃たせてくれ!!なぁ!ほれ、乳なら幾らでもいいから揉め!」 「要らんわ!てか、こんな所で、出そうとするな!しまえ!」 「…ははは、私の常識、どこ行くのぉ」 「あぁ、キャロ、戻ってきて。マジどこ行くの!」 フラフラ、歩き出すキャロを、止める 「はい、ちゃんと皆の分有るから。」  そう言って、皆に一丁ずつ渡し、使用方法をレクチャーする。 「ーーで、スコープ内のマークが揃ったら、引き金を引く。わかった?」 「「はい!」」  渓谷の底で、産まれたトロルは、咆哮を上げながら、崖を上ろうとしていた。 ”ドン!” ”ドン!” ”ドン!” 発火装置は無くとも、質量体の発射音は響く。 そして、結果はすぐに出る。”バチャァアァア!””グシャァァアァア!””ドチャァァァアア!” 「最後は儂じゃ!」”ドン!” ”バッチャァァァアア!” 吐き出された礫の大きさは、口径にして、約12ミリ。NATO弾とほぼ同じ。 礫の硬度は徹甲弾程度。得られる結果は、現実とほぼ同じ。 崖には、一面に広がる肉片と血の花。  そんな、地獄の様な光景を、離れた場所で見ていた斥候部隊。 「な、何が起きたんだ?」 「あ、アイツらの魔術か?」 「ば、化け物はアイツらだ」  こうして、スタンピードは何とか、落ち着いた  
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