第2章 旅とハーレム?の始まり

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 エリクス辺境伯は執務室で、事務方に話していた スタンピードの報は昨日、昼を過ぎた時点で、魔導通信で受けた。 慌てて、部隊やら、物資の手配などを打ち合わせていると、部隊の応援は不要 物資については、明日以降、もう一度連絡するとの事。訳が分からなかった。  スタンピードが起きた、それも同時多発的に。事態は一刻を争うはず。 なのに、戦闘部隊は、要請しない?救援物資についても、後日の連絡? 耳を疑ったが、次の言葉で、全てを悟った。 「スタンピードの排除には、ノートのパーティが、魔道具を使って当たる」  そういう事か。と。恐らく、セレス様も動くのだろう。で、有れば、言われた通り。 救援物資の準備を、進めるだけでよいと、判断。  そして、先程。魔導通信にて齎された結果報告。 「スタンピードに於いては、鎮圧完了。 付近にて存在した村に、避難時、軽微なけが人が有った程度。 物的損害、人的被害共に問題なしと判断。 故に、補給物資についても、不要」  エリクス辺境伯は、事務方が閉じた扉を見ながら、黙考する。 (いやはや。参ったですね。オーガロードに、 トロルの集団…瘴気溜りどころか、魔素溜りさえ、 調査で見つかっていない場所に…帝国の置き土産、でしょうかね。 …それにしても、彼。セリス様が惚れこむほどの、魔道具まで作りますか。 絶対に、敵対は出来ませんねぇ。果たして王には、どう進言しましょうかね)  その背をゲイル騎士団長は黙って見ていた ◇◇◇◇   「ふぅ。とにかく、今回の件は助かった。街の治安を預かる者として感謝を」  ハンス・コルゲン男爵の執務室で、俺達パーティと、衛兵隊の二人。 そして、冒険者ギルドのマスター、シェリーが、代官に事後報告に来ていた。 「いえ。俺達冒険者は、これが仕事ですから、ね。」 そう言って、セーリスさんを見る 「だな。隊長、こいつ等には、討伐金とランクが、手に入る。 そこ迄、せんでいいぞ」 「そ、そうか。でも、礼くらいはな。ありがとう」 「「はい!」」「うむ!」一人のけぞるセリスさん。 「ははは。まぁ、とにかくよかった。誰も怪我無く、無事で。」 「…トロルは、離れた所から、こう、チョンだけでしたからね」 引き金を引く真似をして、何でもないと言っておく 「はは。その様な、恐ろしい魔道具、街中では厳禁ですぞ。特にセリス様」 「な、何の事じゃ?儂は関係ないぞ!フユ~ヒユ~」 「…はぁ~。ロスト・アイテムです。何卒、お願いしますぞ」 「そうだ!忘れてたよ。セリス!なんちゅう物を作らせんだよ!」 「何おぅ?!言うただけで、作れるお前がおかしいんじゃ! 何じゃ、あの訳解からんほどの、術式!頭が煮える!思うたわ!」 「何をぉ!…何じゃぁ!ムキャァーー!」 ”パカン” ”ポカ” 「「痛い!」」 「二人共うるさい!!」 「「はぁ~い…」」  シェリーに怒られた。 「ンンッ…とにかく。ハンス様、事態の鎮静は終わりました。 報告は、お任せします。報告書については、冒険者ギルドは、 衛兵隊に廻しますので。」 「はい。よろしくお願いします。」 「それから、このパーティですが、そろそろ」 「…そうですか。そうですね。準備ももう出来ているんですね」  そう言って、ハンスは俺の顔を見る 「はい。移動に使う、魔導車も手配しています。 後は、あいさつ回りさえ終われば」 「そうですか。少し、寂しい気もしますが、貴方達の事だ。 すぐに会えそうな気もします」 「はは。ですね。頑張れば、転移むごっーー」 「お・ま・えは、口が軽すぎだぁぁぁぁああ!」 
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