第2章 旅とハーレム?の始まり

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 男爵と侍従が残った執務室 「…あ、あの、ハンス様」 侍従が、恐る恐る聞こうとする。 「出来るんでしょうねぇ。はぁ~~。聞かなかった事にしましょう」 「はい。その方が身のためですね」 「……。」  無言で首肯する男爵。執務室は静寂に包まれる (本音は…戻って欲しくないですねぇ) ◇◇◇◇    衛兵詰所に、戻ったカークマンと、コンクランは隊長室で、 ソファにへたり込む。 「はぁぁぁぁあ~。何なんだ、アイツらは!!」 「…た、隊長、声が大きいです」 「知るか!…もう!やってられるかよ!お腹痛いよコンクラン!」 「そ、そんな駄々っ子みたいな事を」 「はぁ~~~。でも。助かったのも事実なんだよな」 「えぇ。本来ならば、どこかの村は、諦めるしか、無かったやも知れません」 「…迷い人…世が世なら、異界の勇者様…か」 「…まさに、ですね」 「頭は悪そうだがな…」 「…ぶは!!隊長!」 「それぐらい、言わせろ!でなきゃ、やってられるか!」 「ま、まぁ、理不尽な存在ですからな」 「…嫌な試練が来なきゃいいな」 「…彼は、望んで来たんでしょうか。この世界に」 「さぁな。神のみぞって奴だ」 ◇◇◇◇  ギルドマスターの部屋で、なぜか、絶賛、正座中。 「何で?!何で俺、こんな扱い?ねぇ?ひどくない?」 「うるさい!このおバカ!転移魔術などと!…この!この!この!」    セーリスさんが、こめかみをグリグリしてくる 「ぬぎゃぁぁぁあ!それは止めて!地味に痛い奴!」 「…クソったれ!地味にだぁ?こっちが痛いじゃないか!?おバカ!」 ”バカン!”「うぎゃ!」  理不尽に、頭をどつかれる。 「まぁまぁ。そろそろ、落ち着いてください。所でセリス様?」 「ん?なんじゃ?」 「…ダメですからね。 後で”こそっと作らせよう”とか、”術式だけメモらせよう”とか」 「ふぇ?シェ、シェリーお主、な、なにををお」 「始祖様。そこはお願いしますね」 「え?転移魔術って、ダメなの?」 「「「ロスト・マジックの最高等魔術です」」」 「うわ!ハモって怒られた。そうか、あ、でもなぁ。」 「なんじゃ?何かあるのか」 「う~ん。やっぱり、子供達の事、気になるし。偶には顔とかみたいじゃん」 「はぁ、お前の居た世界では、出来たのかもしれんが、この世界ではーー」 「あ!そうか!」 「なんだ?!」 「この世界、魔導通信は、出来るんですよね」 「ん?あ、あぁ、声のやり取りと、書類の転送くらいはな」 「え!?書類の転送まで出来るの?じゃあ、簡単じゃんか!」 「いやいや、魔導器はデカいし、魔石の消費も激しいから、簡単じゃないぞ」  そうして、小一時間程で、それは出来上がる 「な!何じゃこれは?!」 「ん?移動型の魔導通信機。ほら、これ持って」  そう言って、何台か作った一台をセリスに持たせる。 「この番号が、通信機に割り当てた番号。 セリスのは3番だから、俺のこれをポチっと」 ”ピリピリリ!” 「うお!何じゃ!?いきなり音がしたぞ!」  そうして、使い方を教える。 「もしもし~、見えてる?」  魔導通信機は、スマホ型にした。 厚みが有るので、トランシーバー型の方が近いかな そして、画面に映る俺を、もう一台の通信機越しに居る面々が 呆けた顔で覗いている 「ん?喋って良いよ?同時通話できるから」 「「「な、なんじゃこれぇぇええぇ!?」」」 「…なぁ、もうちょっと、自重しないか?」 セーリスが疲れ切った顔で、俺に話してくる 「…だがことーー」 「ああ!もういい!それ聞きたくない!何かむかつく!」 『セーリスよ。そこはもう、諦める事だ。 コイツは多分普通に、転移も出来るはずだ そこを、止めたのだ。これくらいは良かろう』 「…始祖様、術式を、まじまじと見ながら言っても、説得力弱いですが」 『ちっがぁう!これは、セリス!乗っ取ってるのに、身体が勝手に動くの!』
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