次なる道(未知)へ

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次なる道(未知)へ

「う~~頭痛い~」  結局、宴会は朝方近くまで続き、寝た気がしなくて、二日酔い 最悪な出発風景である 「…大丈夫ですか?難しいなら、時間ずらしますよ」  魔導車を入門口に運んできた人が聞いて来る 「あぁ、大丈夫です。風に当たれば、治ります。で、これが停止装置ですね」 「は、はぁ。えぇそうです、それを踏めば、車は停止します、魔導ーー」  入門口には、見送りの人達も来てくれたんだが、半分は死にかけのゾンビ。 隅で吐いてる人もいる。俺達は、魔導車のレクチャーを受けながら、出発準備を 進めていた。 「もう!セリスさん!邪魔になるんで、席について寝ててください」  声に振り返ると、荷物を持ったセリスが、フラフラと別の場所に、物を置く 「んにゅ?にもちゅ置き場はこっちじゃろ?」  シェリーとセーレスが、セリスを抱えて、後ろの席に放り込んでいた。 「っとに、おばあ様は。年甲斐もなく飲み倒すから」 「…楽しいお酒でしたから。」 「ま、まぁ、確かにな。」  シェリーの言葉に、セーレスも満更でもない返事をしていた。 「お~い!良かった、間に合った」  カークマンが、走ってこちらに向かって来た。 「ん?どうしたんです?今日は東門じゃないんですか?」  門兵が、声をかける 「あぁ。コンクランと替わった。こいつ等が出て行くところを確認せんと、 何か、厄介事が起きそうな気がするんでな」 「はぁ。そうなんですか?」 「んなわけないわ!隊長も変な言いがかり付けるなら、帰れ!」 「アハハハ!ちょっとすうっとした!」 「ストレス発散みたいにするな!」 「半分以上はお前らのせいだからこれでお相子だ! お腹ずっと痛かったんだぞ!」 「…知るかよ。てか、なんちゅうしょうもない、言いがかり」 「では、こちらにサインを…はい。 ありがとうございます。次の街に着きましたら このカードを、店の者に渡してください。 メンテ後、車を再利用できますので」 「はい、解りました」 「はい。では、良い旅を」  こうして、魔導車の引き渡しを受け、荷物も載せ出発準備が完了した。  俺達が居るのは既に門の外。  車の引き渡しや、通行の邪魔などを考えて、こうした。  皆は、其処まで付き合って出て来てくれた。   「皆さん!短い間でしたが、お世話になりました。 今生の別れをするつもりは無いです。 また、来ます。なので、しんみりは不要です。」  ”おう!待ってるぜ” ”分かってるよ!” ”お前が死ぬとは思えんしな!”  ”ノート兄ぃ!絶対また来てね!”   ”ノート!” ”またな!” ”また、飲もうぜ!” 「ノートしゃん!絶対!じぇったい、またあいましゅ!」 「サラちゃん…うん。修行、頑張ってね。また逢おうね」 「はいでしゅぅぅ、ぅぅううわぁぁああん!」 「「「ノート兄ぃぃぃぃぃいい!わぁああ!」」」  あ~あ、ちびっ子達は結局泣いちゃったか。う~ん。あ!そうだ! 「皆!面白い物を見せましょう!上を見上げてください!」  そう言って注目を集めて、上空を見上げさせる。  打ち上げるのは火球、ひゅう~と音を出しながら、空に上がったそれは、大きな花を咲かせる  ”ドッパァァァァァアアアアンンン!!!”   ”うおぉぉおお!” “凄~い” ”きれ~い”  この世界に有るのか、どうかは知らないが、 大きく開いた花の名は”ヒマワリ”俺の好きな花 「ギャハハハハハハ!ノート!何じゃこの魔術は!きれーじゃ!」 「すっご…」 「ヒマワリって花をかたどってみました。どうです?奇麗でしょ?」 「「「「ヒマワリ…」」」」 「…の、ノートぉぉぉぉおお!このばかぁぁぁぁぁあああ! 街中騒ぎになるだろうがぁああ!」 「アハハハ!隊長!油断しましたね!じゃぁ皆さん!行ってきます!」  魔導車に乗り込み、アクセルを踏み込む。 ヒュウウウンと、唸りを上げて、動力を、 タイヤに伝達、滑る様に車は走り出す 「もう、最後の最後まで。もう少し穏便に行きましょうよノートさん」 「キャロさんは、あの花火嫌でした?」 「最高でした!」
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