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あまのじゃく
僕のお隣さんは、変わっている。
皆と、いつも真逆の行動を取る。
彼は、あまのじゃくだ。
ご近所さんからは、嫌われている。
彼は、いつもこんなことを言う。
「あぁー、腹が立つぜ。」
「どうしたの?」
「毎日腹が立つんだよ。」
「そうなんだ……」
そういった会話ばっかだ。
そんなある日、ご近所さんが、
「あの、あまのじゃくのアイツの家に、
ゴミ捨ててこようよ。」
「え!?なんで?」
「だってあいつ、腹が立つじゃん?」
「うん、まあ……」
「でしょ?だから、捨ててこようよ。」
「いや、僕は、いいよ。」
「はいはい、わかったよ。じゃあねぇ。」
あまのじゃくのアイツは、大丈夫だろうか。
あれから、毎日のようにゴミが捨てられていた。
あれから、一週間、あまのじゃくの姿を見ない。どうしたんだろう。僕は、ただ、見てるだけしかできなかった。
あれから、月日が経ち、僕はあまのじゃくの家の前へ来た。
「あいつ、大丈夫かな?」
ごみ捨てされてから、彼の姿を見ていない。
引っ越したかな……
その場を後にしようとした時、
「あれ?こんなところでどうしたの?」
「え!?いやなんでも。」
彼が普通に外から帰ってきた。
「ねえねえ聞いた?」
「何を?」
「ご近所さんの家に1人増えたんだって。」
「え!?すごいじゃん。」
「だよねぇ。僕さっき祝杯あげた。」
「そうだね。僕も行こっと。」
そう言ってその場を後にした。
今思うと、あまのじゃくのアイツ、ご機嫌だったな。
ご近所さん、子供できたんだ。知らんかったな。急いで祝杯あげよっと。
ご近所さんの家にいって、インターフォンを
押した。
ピンポーン
返答がない。
「どっかで、祝杯あげてるのかな。」
僕は、家に帰った。
なんだ、あまのじゃくは、良いやつじゃないか。
ごみ捨てされている本人に祝杯あげるなんて…
次の日、またアイツにあった。
「ねえねえ、人増やしたくない?」
「え!?僕!?けど、彼女いないよ……」
「大丈夫、僕が呼ぶから、
後でそっちに行くね。」
「お、おう。サンキューな。」
まさか、あまのじゃくのやつに彼女を紹介されるとは…….
けど、なんか楽しみだ。
ピンポーン
お、来たかな。
「はーい。今行きまーす。」
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