同じになってきた

　聞くとKさん、半年ほど前から彼女さんと同棲しているという。
　彼女とはマッチングアプリで知り合ったのだが、容姿端麗でスタイルも良い。
　家事も得意で、特に料理が上手ときた。
　Kさんは家事全般が苦手なので、交際を始めてすぐ、彼女の部屋に転がり込むようにして同棲を始めた。
　彼女の住む部屋は1DKで、2人暮らしでもどうにかなる間取りだった。
　ゴチャゴチャ散らかっていたKさんの部屋とは違い、彼女の部屋はとてもキレイで品がある。
　特にキッチン周りはオシャレで、いくつもの調味料が棚にきっちりと並べられている。
　塩や砂糖などの基本的なものから、どんな味がするのか想像もできないような聞いたことのない名前のものまで。
　自分には縁のないものだと思ったKさんだったが、その中に1つだけ、気になる容器があった。
　だいたいの調味料は市販のままか、もしくは透明の容器に移し替えられているのだが、それだけは、容器の”質”が違う。