同じになってきた

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 あの容器の蓋を閉め、大事そうに両手で包ながら、Kさんの方に歩み寄ってくる。 「これはね……」  傍に立った彼女は、指先で容器を愛おしそうに撫でた。 「元カレのお骨なの」  その一言で、Kさんの全身に悪寒が走る。 「ほ、骨……?」 「やっぱり、カレに生き返って欲しくて。  もしかしたら、誰かの中にカレを入れれば、魂も入れ替わってくれるかなって思ったの」 「そんな……。じゃあ君は、これまでずっと……?」  その問いかけに、彼女は悪びれる様子もなく微笑んだ。 「ほんとは自信がなかったんだけど。  でも、良かった」  大きくて愛嬌のある目。  その目尻が、醜く下がる。 「だんだん、カレと同じになってきた」
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