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明美も成美も二人そろって早退した。
仲の良かった風羽の死が堪えたのだろうと、担任も強くは咎めずあっさりと承諾してくれたのだ。
今は公園にいる。
さびれたベンチに並んで座り、それぞれスマホをいじっている。
教えてもらったURL先には『一本足の黒猫』についてのかき込みがびっしりとされていた。
「成美が前にこの話をしたときに、ネットにもかき込みされているって言っていたよね?」
「それも口からでまかせで言ったことだし」
「そもそもが創作じゃなくて、たまたまこのかき込みを見ていたとか?見たことを忘れて創作だと思ってしまったとか」
「でも見て。私が話した日づけよりあとに掲示板ができている」
じゃあ、どこから?
明美たちは黙る。
『教えてくれないなら自分で調べるから!』
明美の脳裏に風羽の言葉が浮かぶ。
まさか彼女が?
成美もそう思ったのだろう。
複雑そうな顔をしている。
声にこそださないが、二人はそれとなく確信した。
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