ブラックナイト

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風羽が学校にこなくなってから一週間目の放課後。 明美たちは、彼女の家へとやってきた。 チャイムを鳴らすと、風羽の母親がでてきた。 「私たち、風羽さんの友達の明美です」 成美です、と順に頭をさげる。 「風羽の……」 「風羽さんに会わせて欲しいんです。具合が悪いなら日を改めてまたきます。だめでしょうか?」 風羽の母親は目をふせる。 それから疲れきった顔で、 「どうぞ」 と明美たちが入りやすいようにドアをあけた。 「風羽、お友だちがきたわよ。明美さん、成美さんよ」 風羽の部屋の前で彼女の母親は、そっと語りかける。 中からかすかに人の動く気配がした。 「私、明美。一本足の黒猫のことで話があってきたの」 明美がそう言うと、がたんっ、という音が部屋からした。 それから勢いよくドアが開く。 中からでてきた風羽を見て、二人は驚きを隠せなかった。 目はくぼみ、隈までくっきりとできている。 髪はぼさぼさで洗っているのかも怪しい。 頬は痩せこけ、ただでさえ細い身体はがりがりになっていた。 たった一週間でこうも見違えるようになるだろうか。 「……入って」
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