4人が本棚に入れています
本棚に追加
風羽が学校にこなくなってから一週間目の放課後。
明美たちは、彼女の家へとやってきた。
チャイムを鳴らすと、風羽の母親がでてきた。
「私たち、風羽さんの友達の明美です」
成美です、と順に頭をさげる。
「風羽の……」
「風羽さんに会わせて欲しいんです。具合が悪いなら日を改めてまたきます。だめでしょうか?」
風羽の母親は目をふせる。
それから疲れきった顔で、
「どうぞ」
と明美たちが入りやすいようにドアをあけた。
「風羽、お友だちがきたわよ。明美さん、成美さんよ」
風羽の部屋の前で彼女の母親は、そっと語りかける。
中からかすかに人の動く気配がした。
「私、明美。一本足の黒猫のことで話があってきたの」
明美がそう言うと、がたんっ、という音が部屋からした。
それから勢いよくドアが開く。
中からでてきた風羽を見て、二人は驚きを隠せなかった。
目はくぼみ、隈までくっきりとできている。
髪はぼさぼさで洗っているのかも怪しい。
頬は痩せこけ、ただでさえ細い身体はがりがりになっていた。
たった一週間でこうも見違えるようになるだろうか。
「……入って」
最初のコメントを投稿しよう!