4人が本棚に入れています
本棚に追加
すっかりパニックにおちいっている風羽。
髪をかきみだし、叫ぶ姿はあまりにも痛々しかった。
明美は彼女をなだめようとした。
どれだけ一本足の黒猫の話が嘘であると言っても、風羽は首を横にふるばかりだった。
「教えてくれないなら自分で調べるから!」
風羽は吐き捨てるように言って、明美たちを部屋から追いだした。
「明美、どうしよう。まさかこんなことになるとは思っていなかったの」
「うん。たぶん風羽は暗示とかにかかりやすい体質なんだと思う。思い込みが身体にも現れたんだと思う」
風羽の家からの帰り道、ぽつぽつと話す。
「明日もまた風羽のところに行こうと思う」
「私の責任だから私も」
それ以上の会話はうまれなかった。
最初のコメントを投稿しよう!