ブラックナイト

8/15
前へ
/15ページ
次へ
すっかりパニックにおちいっている風羽。 髪をかきみだし、叫ぶ姿はあまりにも痛々しかった。 明美は彼女をなだめようとした。 どれだけ一本足の黒猫の話が嘘であると言っても、風羽は首を横にふるばかりだった。 「教えてくれないなら自分で調べるから!」 風羽は吐き捨てるように言って、明美たちを部屋から追いだした。 「明美、どうしよう。まさかこんなことになるとは思っていなかったの」 「うん。たぶん風羽は暗示とかにかかりやすい体質なんだと思う。思い込みが身体にも現れたんだと思う」 風羽の家からの帰り道、ぽつぽつと話す。 「明日もまた風羽のところに行こうと思う」 「私の責任だから私も」 それ以上の会話はうまれなかった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加