捨て箱

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 丸2日飲まず食わずなのだ。弱らないわけがない。それにしても何故ここに箱が? 誰が置いたのだろうか。 「ニャ〜……」  私には飼えない。だからごめんなさい。私は急いで部屋へ向かった。  猫がお腹を空かせていると思うと食事が喉を通らなかった。私はシャワーだけ浴びて寝ることにした。 「お腹空いたよう……喉渇いたよう……」  痩せこけた仔猫の夢を見て飛び起きた。まだ夜中だった。窓がガタガタ揺れていた。風が強いようだ。屋根からパラパラと音がする。雨が降っているようだ。  寒いだろう。怖いだろう。それでも私は何もしてあげられない。ごめんなさい、ごめんなさい。怒ってるだろうか。恨んでいるだろうか。泣いているだろうか……。  私は居ても立っても居られなくなった。パジャマのまま部屋を飛び出し駐輪場に向かって走った。
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