新入社員

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新入社員

「今日からお世話になります村井(わたる)です。よろしくお願いします!」 村井君は細身ではあるが程よい筋肉、サラサラした黒髪、スポーツをしていたであろう日焼けした肌。 その場に居た女子社員の殆どが、彼の爽やかな、笑顔に色めきたった。 私もそのうちの1人で素敵な新入社員が増えて、華やぐような気分だった。 指導係の男性社員に付いて仕事を一生懸命にこなしている姿に、目を細めて優しく見守ってあげたくなる。 「最近の子は歓迎会を嫌がるから」と飲み会らしい事は控えてきた課長に、女子社員の1人が訴えた。 「課長、村井君の歓迎会をしましょう! 飲み会をすれば村井君も、早く慣れると思うんです!」 そう言っていると村井君が横から笑顔で言った。 「課長、ご迷惑でなければお願いします。 皆さんの名前しか覚えてなくて、まだちゃんと話しをした事の無い方もいるので。」 「それなら」と、課長も久しぶりに飲み会をしようという事になった。 ただし、強制参加ではない旨を添えて。 私は強制参加じゃないなら不参加にしようと思っていると、村井君が私の背後に立ち声を掛けてきた。
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