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でも、それはやっぱり違ってた。
晃樹と一緒にいて感じる居心地の良さは、ベースが友人関係にあるから…ってだけではなくて、やっぱりアタシもちゃんと晃樹のことを、“恋人”として、好きだったから…、いうことに別れてから気づいた。
別れ際に、“友達として、これからもよろしくな?”と晃樹に言われたけど、流石に、それまでのように、暇な時に電話したり、二人でご飯食べに行ったとしても、平気でいられる自信がない。
当たり前だけど、晃樹の声を聞いたり顔を見たりしたら意識しちゃう。
気にするなと言われても、二人が大学一年で出会ってから今までの7年の思い出のほとんどは、恋人同士だった2年の間に上書きされちゃってるから、無理な話だ。
だから、晃樹と恋人関係を卒業してからもうすぐ半年経つけど、結果的にアタシから一度も連絡を取っていない。
アタシが避けてるのを察したのか、晃樹からも直接のアプローチはなく、サークルのメンバーで作ったグループLINEの中の話の流れで生存確認をしてるくらいで、そのグループLINEでも、お互い直接の絡みは避けている。
とまあそんな相手である元カレの晃樹が、どうやら今夜の飲み会で酔い潰れて、アタシを呼んでいるということらしい。
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