守り刀と対魔師2 ~三条今日花は今の主が分からない~

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 人間の言う、『家族』だの、『きょうだい』だの。  私はそういった物を持っていない。  ゆえに、その繋がりが彼らの中でどんな意味を持っているのか、心の中のどのくらいの面積を占めているのか、想像もつかなかった。  ただ、前の主がそれに苦しんでいたことだけは、よく覚えていた。  忘れもしない、あの日。  私が彼を貫いたあの瞬間。  死の際まで、悩み、苦しんでいた。
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