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その時だった。
「…高宮くんっ!」
聞き覚えのある声に振り向くと、そこには、いつもと違う花咲先輩がいた。
黒髪に控えめなメイク。
気崩されていない制服…。
それでも、紛れもなく俺の好きな人だった。
慌てて先輩に駆け寄った。
「どうし「高宮くんに早く会いたかった」」
俺の言葉を遮って、彼女はそう言う。
その瞬間、顔の体温が一気に上がった。
「先輩、そういうのずるい」
そう言って、彼女の腕を掴んだ。
ほんとに、どうしようもなくずるくて、可愛い人だと思った。
もうこの手は離したくない…。
俺は彼女の手を掴んだまま、走り出した。
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