噂の花咲さん。

変わった二人の関係

「花咲先輩が好きです」

高宮くんは満面の笑みでそう言った。

その瞬間、涙がどんどん溢れる。

「…っ、ほんとは高宮くんのこと迷惑だなんて思ってない…！」

「うん…」

「私といることで、高宮くんにも変な噂が流れたら嫌で、あんなひどいこと…ほんとにごめんね」

「大丈夫ですよ」

高宮くんは私の涙を拭いながら、優しく微笑んで、ゆっくり話す私の言葉を聞いてくれていた。

「私、これからも高宮くんと一緒にいたい。また初めから始めたいの」

「俺もです。今度はありのままの花咲先輩で、俺といてください」

「うん…！高宮くん、ありがとう」

思わず抱き着くと、高宮くんが戸惑いつつ、私を抱き締め返してくれた。

慣れてないそんな彼の反応が、とても愛おしく感じた。