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「美少年、君のコップは、どんなのだね?」
イケメン課長が言った。
イケメン課長は、このイケメン課の課長である。
四十代の背の高い、渋いイケメンだ。
僕は、犬のイラストが描いてある可愛いマグカップを出して、言った。
「これです。犬が好きなんで」
「そうか、美少年らしいな。『美少年』と名前を書いてから、ここに置いておきなさい。それで、好きな時に、このコーヒーを飲むといい」
そう、イケメン課長が言って、部屋の隅に置いてあるコーヒーメーカーを指した。
そこには、コップが、四つ置かれていた。
「これが、俺のコップだ」
そう言って、イケメン課長が取ったのは、渋いコーヒーカップだった。
しかし、『イケメン課長』と、書いてあった。
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