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花
今日こそ告白しようと思って、放課後に宇佐美先輩の部活が終わるのを待っていた。
でも、彼はサッカー部の仲間やマネージャーに囲まれていて一向に一人にならない。
朝から様子を伺っていたけど、机の中に1つ、下駄箱に2つバレンタインのプレゼントが置いてあった。
宇佐美くんはモテるんだ……。
そう、宇佐美くんとは同じ保育園だった。学年は1つ上だけど、課外のサッカー教室が一緒だったから仲は良かったんだ。
その頃は「うーちゃん」って呼んでた。
よく一緒に練習サボって園庭の砂場でままごとしてた。
私の“初恋”かな。
それが今じゃ、風のようにピッチを駆けて……、バレンタインもよりどりみどりで……。
ぼんやり見てたら、渡せないまま帰ろうとしてる。
だから、そのまま家までついてきちゃった。
絶対怪しいよね、私。
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