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思い切って呼び鈴を押すと、
うーちゃんのお兄さんが出てきた。
うーちゃんと同じ顔で一瞬パニック。
あれ?誰だっけ?
確か、“空”と同じような漢字一文字の名前の……。
えーと、……あ、思い出した。
「あの、海くん呼んでくれますか?」
「わかった。ちょっと待ってて」
お兄さんが姿を消したあとで、自分のセリフを反芻して、疑問符が浮かぶ。
ん?
今、私、海くんいますか?って聞いた?
いや?空くんって言った?
あれ?なんて言ったっけ?
もしかして、間違えた!!???
もう一度呼び鈴を押そうとすると、
家の中で、どだだだだーっともの凄い勢いで階段を駆け上がる音。
大きく深呼吸し、呼び鈴を押そうとかまえるが、再びどだだだだーー。
勢いよくドアがあく。
そして、なぜか海くんが着替えて出てきた。
「おまたせ」
こ、こ、これは、、どういう状況!?
しばし沈黙。
海くんは妙に高い声でニコニコしてる。
でも、このプレゼントはうーちゃん用に買ったんだから、うーちゃんに渡さなきゃいけない。
「これ、うーちゃ……空くんに渡してください」
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