まぁ･･･うん。

俺の悩みを解決してくれないか？

　剣と魔法の世界。男なら1度は憧れるモンだ。そして密かに異世界に転生しないかと望みハーレムを夢見るよな？

　そしてまさに今その世界が現実となかって俺の目の前にある。

　前世は地球だった。そして当たり前のように日本人だった。唯一の自慢は外国人の言う「日本語難しい」だった。そんな普通のおっさんだった。あの日車に轢かれるまでは。

　目が覚めた時は見知らぬ世界で赤ん坊だった。この世界の両親に愛されながら生きてきた。もちろん色んなことがあった。王都近くの田舎町、魔物に出撃されたり盗賊に襲われたり。それでも小麦を育てる両親と仲睦まじく楽しく生きてきたのに。
　俺が10歳になった頃、右の内ももに変なアザができた。なんでそんなエロい場所にできるのかは不明だけど、そのアザを見た両親が青ざめた顔で泣きながら謝ってきた。勇者のアザだと言う。
　まぁ勇者チートとでも言うか、アザができてから身体能力は上がったし記憶力なんかも格段に上がった。11歳になる頃には王宮の騎士団に入ることになって、16歳で魔王討伐に出た。
　読んでるみんなには申し訳ないが、サクッと魔王城に着きサクサクッと魔王を討伐した。

　そう、問題はそこじゃない。勇者チートがあれば多少時間はかかるかもしれないけど数年でチートは使いこなせるし魔王なんてちょちょいのちょいだ。

　色々相談する前にこの世界について話しておこうと思う。

　まぁ言った通りに王都があるってことは王様がいるってことだ。んでもって王子様なんかもいる。ついでに公爵だ子爵だといったものがある階級社会。奴隷制度までもある、そんなフツーのファンタジーの世界。俺が日本語で話してんのは日本人だから。ここの国の言葉で話したって君たちにはわからないと思うし。そのへんはどうでもいい。

　そしてこの世界には男しかいない。だから『性』という概念が無い。身体の構造が違うのか、誰でも子どもが産める。そして流行り廃りを左右するファッションリーダー的な存在も王都にはいる。数年遅れて田舎に届く、そんなフツーのファンタジーの世界。それだって問題じゃない。

　大問題なのは、たぶん俺が元日本人だ、ということだ。

　そうそう、この世界の俺の名前はクウ。農家の平民だ、ファーストネームの「クウ」だけ。日本の名前はどうでもいい。今はこの世界で生きてるし、必要ないから。

　で、だ。

　普通に生活するために必要な麦やパン、テーブルにイスなんてここの言葉に変換するまでもないくらい普通にイスだったりテーブルだったりするんだが、人を形容する言葉がおかしい。