新たなる人型魔物

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新たなる人型魔物

 朝は家政婦さん、夜はラミアにバナナミルクを搾り取られながら、数日が経った。  そろそろ次の段階に進むべきだと考え、俺は再度迷宮へと足を運んだ。  ラミアが従魔に加わった事で、迷宮の進行速度は劇的に速くなった。  安全地帯で夜営をする際には、従魔達に見張りを任せて、ラミアとくんずほぐれつしてから眠る。  朝起きる際にはラミアの絡み付きをほどくのに多少苦労し、従魔達の食事を作るのに苦労する。各々好みが違うので、味付けにはかなり拘る。  調理器具や食料品を運ぶのは従魔達に任せており、俺自身は身軽で戦闘中は指示ばかりなので身体の負担はほぼ無い。  身体の大きさが各々な従魔達は俺を中心に隊列を組み、背の低い従魔は背の高い従魔に乗っていたり、少し上空を飛んでいたりしている。  深層までは順当に進み、ラミアが出没する階層を越えた。仲間意識が有るのか無いのかハッキリしないが、従魔にしていないラミアと遭遇する事が何度か有ったが、向こうから襲っては来なかった。  若干羨ましそうな眼を向けた後、立ち去っていく。他の魔物は襲って来るので返り討ちにしている。  次に出没する人型の魔物は吸血鬼。人の生き血を吸い、下手をすれば眷属にされてしまう恐ろしい相手だ。  吸血対策として、ニンニクを首輪にして身に付けた。他にも十字架が嫌いだと図鑑には記載されていたので、こちらも肌身離さず身に付けている。  匂いがキツいのか、従魔達は俺から少し離れて隊列を組んでいた。特に獣型の魔物は先頭に立ち、絶対に風下に立とうとしなかった。  迷宮は魔物の特性に合った構造になる場合が殆どで、この階層は日の光が入らない暗い回廊になっていた。  明かりは松明や魔法の光で照らし、道を進んでいたら扉を見つけた。罠の有無は従魔が確認して、安全と解ってから開ける。  中は広めの霊廟だった。棺桶が幾つも並び、今にも其処から何かが出てきそうな雰囲気を醸し出していた。  案の定奥の棺二つが内側から開いた。中から現れたのは男女の黒い服にマントを着込んだ、如何にも吸血鬼風な格好だった。  野郎には用はない。男の方はラミアに任せて、女の方を他の従魔達で包囲網を敷く。殺傷は避け行動不能に追いやるよう、指示を出して見守る。  結果はラミアが男吸血鬼を圧倒、女吸血鬼も数の暴力で無事捕獲完了。数は力だ。  男吸血鬼には止めをさして解体、素材の確保。女吸血鬼には好物の餌をちらつかせる。最高級の牛肉を炙り、抜いた血に調味料を混ぜて味付けした特製ソースを垂らしたステーキを。  効果は抜群だった。開いた口から涎が出ている。左右に降れば瞳は其方に誘導される。 「俺の従魔になれば、これが食べ放題だ。どうだ?」  女吸血鬼から従魔になる意志が伝わってきた。俺の料理の腕も上がって味は保証されている。食わせてやると、涙を流しながら嘱す。 「早速口直しに、俺のバナナミルクを飲ませてやろう」  下半身の宝刀を女吸血鬼の前にさらけ出す。バナナは八重歯で傷付かない様に注意深く咥えられる。顔が前後に動き、口の中で舌が細かにバナナの皮を舐め回す。  果ててミルクが女吸血鬼の口一杯に注がれ、ゴクゴクと飲んで口直しは終了する。 「下のお口にも欲しいか?」  紅葉した頬をした女吸血鬼は、黒い服を脱ぎ出して姿勢を変え仰向けに寝そべり、濡れたツルツルの下腹部を手で開き受入れ態度を示す。    俺の前後運動は速攻で終了する。ラミアよりも小さくバナナにかかる圧力は、ミルクを吐き出させるには十分すぎる程気持ち良かったのだ。  中に入れたまま余韻に浸っていると、後ろに二つのお饅頭が当たると共に、蛇の足が身体に絡み付いてきた。  振り向けばラミアが物欲しそうな顔をしていた。ふむ、これは男吸血鬼を倒した事のご褒美要求か。ミルクはまだ残ってそうだし、二人纏めてお相手しようか。
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