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1.母性に包まれた記憶
ある日、お散歩をしていると不思議な事を伝えてくる人がいた。
男性とも女性とも捉えられるようなそんな不思議な人だった。
「君がみたい夢を見せてあげよう。いつでもおいで。」
そう言って指をパチンと鳴らすと一枚の名刺を渡された。
「夢の案内人…バクさん?」
「よく夢を食べる生き物としてバクって聞かないかい?」
「なんか薄らと聞いたことがあるわ」
急に話しかけられたと思ったら昔の話を振ってくるなんて胡散臭いと感じつつその容姿から目を離すことができなかった。
「悪いイメージを持っている人も多いと思うんだけど、実は悪い夢を見た時に「バクにあげます」と唱えてくれたら私が回収しにくるよ」
「へぇ、じゃ何かあった時に貴方を頼ればいいってこと?」
「あぁ、辛い夢があったらすぐ私を夢の中で呼んでおくれ。」
「私はまだ学生よ、お金とか払えないわ。」
「大丈夫。夢を貰う事には何も発生しないよ、まぁまずは夢を見ている時に私の事を呼んでよ。じゃあね。」
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