いざ、夢の国へ

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 とにかく四方田女史の夢の国愛がすごい。この国の隅々まで熟知している。こんなことなら、僕たち三人の、特に僕の出番はないんじゃないかと不安に思い始めた頃、お昼の時間になった。 「先生、1組の東海林、西川と2組の南雲です。お昼に入ります」  点呼の担当の先生に報告する。 「お、ご苦労さん。お前たち聞いたぞ? 四方田女史とマドンナ北峰とまわってるらしいな」 「えっ? どうして知ってるんですか」点呼担当は卓球部の顧問だった。  そんなに他の生徒に見られてるなんて! 僕は焦った。 「マドンナに告白しようと、チャンスを狙ってる生徒がいるからな。まぁ、四方田女史がガードしてるから、そのチャンスは無さそうだが」先生がニヤニヤ笑っている。 「先生、楽しんでませんか?」悟が文句を言うと、 「そうですよ。俺らだって……」  祥介の発言を遮った先生が、 「トンナンシャーが金魚のなんとかって言ってたぞ」そう言うと、先生は吹き出し大笑いした。 「悪ぃ。まぁ、元卓球部の意地を見せて頑張れよ」先生は、笑いをおさめ僕ら三人の背中を軽く叩くと、他の生徒の点呼に戻った。  悔しい。非常に悔しいけど、まさにその通りなので何も言い返せなかった。 「……飯食おう」 「……そだな」 「……金魚の〇〇って……」  ダメージデカ過ぎだよぉ。
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