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「んーそうね、別にいいわよ」
「……へっっ?!」
北峰さんの返事に驚いた僕の口から変な声が出てしまった。慌てた祥介に口をグイっと塞がれる始末。く、苦しいっって……
「東海林くん、大丈夫?!」
心配してくれる優しい北峰さん…… ちょっと待って?!
あぁ、北峰さんが僕の名前を知っていてくれた。嘘だろ? 感激でもう、死んでもいい。あっ、嫌だ、死にたくない!
「北峰ちゃん本当にいいのか」
「心春ちゃん、みんな断ってるって聞いたけど」
祥介と悟が北峰さんに確認する。北峰さんはにこやかに、
「うん。だって、申し込んで来た男子たちは一対一でまわりたいって言ってくるの。せっかくの卒業旅行なんだし、みんなでワイワイまわりたいじゃない? でも一つだけ、条件がある」
あぁ、振られた男子たち傷ついたろうな……と思いつつも、みんなでワイワイまわりたいって気持ち、とりあえず賛成!!
一対一なんて僕には到底無理だからね……
……ん、条件だって?!
「なに、その条件って?」
悟が、祥介が、僕がマジマジと北峰さんを見つめる。スゴイ条件じゃないと良いけど。
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