卒業旅行 前日

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 悟はニヤニヤしながら、 『芳人、良かったな』 『芳人、俺らに感謝しろよ』と、祥介も笑ってる。それを見た北峰さんは、 「またぁ、三人で見つめ合っちゃって。知ってる? あなたたち三人が女子の間でなんて言われてるのか」  北峰さんがちょっと意地悪そうな顔をした。うん、可愛い 「トンナンシャーまたの名をエンピツーズよ」   はい?! どうゆうこと? 「あれだろ、名字の頭の文字。芳人の東海林の東と」 「悟の南雲と俺の西川だろ?」 「なんだ、知ってたの?」  北峰さんがつまらなそうに言う。 「心春ちゃんが入れば、トンナンシャーペーだけどね」  悟が笑った。言われた北峰さんが不満げだ。  そうか! 北峰の北。 「僕たち東西南北なんだ……」 「芳人、今頃気づいたのかよ」  祥介があきれた顔をした。 「あ、でも、エンピツーズってなに?」僕も緊張するけど会話に入ってみた。 「身長差だよな。筆箱に並んだエンピツのようだって」悟が不満げに話す。 「身長差……?!」 「俺、芳人、悟の順。きれいに5センチずつ差があるからな」  そうだったのか……  悟は身長にコンプレックスがあるようで、この会話を終わらせたいらしい。 「日和ちゃんから話がズレだぞ」  北峰さんが思い出したように、 「あ、そう、それでね、日和が夢の国へ一緒に行きたがってて。お母さんも日和の願いを叶えてあげたいって言うの」 それは……?!  
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