Die Familie./お願い、守って

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 この部屋のベッドは古いシングルベッドで狭いしスプリングがうるさいのにと翻意を促すが、この部屋が良いと頑なに拒まれてしまってはリオンもそれ以上は何も言えなかった。 「んー、じゃあ今日はここで寝るか」 「……うん」  その小さな小さな同意の言葉にリオンがもう一度ウーヴェの背中を抱き締めたあと、掛け声を放って立ち上がると同時にウーヴェの腕を引っ張ってその勢いのまま抱き上げる。 「……っ!」 「俺の自慢のオーヴェ! もうこれからは一人で苦しまなくて良いからな?」  いつかも言ったがこれからは今まで以上にお前の背負ってきた荷物を持つから安心して任せろと笑って困惑するウーヴェの顔を見上げたリオンは、ウーヴェにも望みまた望まれている笑みを浮かべて一つ頷くと頬にぽたりと滴が落ちてくる。 「リー……オ……っ、俺、の……リ、オン……!」 「本当にお前は強い。強くて優しい人だ、ウーヴェ」  そんな誰よりも強くて優しいお前にこの世のすべての幸福と持てる限りの愛を、これから先何があろうともお前の傍にいることを誓うと宣言したリオンは、頬を伝って落ちていく涙に目を細め、抱き上げている為に少し高い位置にあるウーヴェの涙がこぼれ落ちる目尻にキスをする。 「オーヴェ、愛してる」  だからこれからも一緒に生きていこう。笑っていよう。時々ケンカもして、でも最後は仲直りをして手を繋いでいよう。 「――あ、あ……っ……!」 「だからオーヴェお願い、さっきみたいなことはもう言わないでくれよ」  いつだったか俺に同じことを言ってくれたのはお前なんだ、だからもう言わないでくれ。  生きていて良いのかなどと悲しい事を言うなと真剣な顔で伝えたリオンは、涙でぐしゃぐしゃの顔で頷くウーヴェの頬をぺろりと舐めると、シャワーを浴びて寝る用意をしようとウーヴェを下ろすのだった。
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